『日本語の作文技術』

最近、日本語の論文を書く機会が増えているのですが、どうもシックリ書けない。 論文を人に読んでもらったら、「分かりづらい!もっとすっきり書けないの?」と、何度も言われてしまいました。 そこで、藁をもすがる思いで、『日本語の作文技術』を手に取りました。 古い本ですが、非常に面白いです。 1、修飾・被修飾の距離が離れすぎないこと。 2、節を先に、句をあとに。(節=一個以上の述語を含む複文、句=述語を含まない文節。英語とは異なる点注意。) 3、長い修飾語ほど先に、短いほどあとに。 4、大状況・重要内容ほど先に。 5、句読点は字と同じか、それ以上に重要。 ・長い修飾語が2つ以上あるとき、その境界に点を打つ。 ・原則的語順が逆順の場合に点を打つ。 なるほど、なるほど。非常に実践的な、アドバイスです。 この原則に従って、論文を書き直しました。 同じ人に読んでもらったら、「前よりはすっきりした。」と、改善を認めて頂きました。よかった。。 文庫本とはいえ300ページ以上ある本ですが、この原則を意識するだけでも、書く文章がすっきりします。 だれでも明文家、とはいきませんが、少なくとも、誤解を招いたり相手にストレスを与えなくなるようです。

『間抜けの構造』にみる、ビートたけしの”成長のS字曲線”

最近は電車での移動が多いため、時間つぶしに本を読むことにしました。 ビートたけしの『間抜けの構造』を買ったのですが、人目を気にせずに何度も吹きだすほど、面白かったです。 さて、一番印象に残ったのは、彼が自分の人生をデザインする際に、「成長のS字カーブ(sigmoid curve)」を意識していた点です。 sigmoid curveは、よくビジネスサイクルを説明するときに用いられます。 あるビジネスが成長するときは、右肩上がり。そして成熟を迎え、下降していき、最後に陳腐化して競争力を失う。そんなビジネスサイクルの特徴を、S字カーブになぞらえています。 企業の持続的成長には、このビジネスのsigmoid curveを、切れ目なく作り続けることが必要なのは、直感で理解できると思います。陳腐化して売れなくなる前の、余力があるうちに、新たな新商品を開発できる企業は生き残り、失敗した企業は退場を余儀なくされる。 このsigmoid curveは、企業に限ったことではなく、個人のキャリアを読み解く上でも有用だと、ビートたけしの『間抜けの構造』を読んで感じました。 かれはこういっています。 売れない時代から漫才ブームで一気にスターになった後も、どこかで醒めていた。 ツービートで人気の絶頂時に、このままでは先がないと、ラジオを一人で始めた。 売れまくっているときに、どこかで行き詰まりを感じていたのか、フライデー社に殴りこんで謹慎、結果として、考える「間」を得た。 謹慎中どうなるかわからない不安な時期もあったが、復帰後はさらに売れた。 映画も取り始め順風満帆だったが、バイク事故で九死に一生を得た。 これが、映画で賞をとって認められるなど、結果として取る映画に良い影響をあたえたのかもしれない。 ・・・こんな自分の行動を、「うまくいっている自分を、自分で壊してきた」と説明していたのを読んで、これこそが自分の成長のS字曲線を意識的に作っては壊してきたのだと理解しました。 つまり、自分の成長カーブが賞味期限になる前に、自分で壊して新しいS字曲線を作り出すサイクルです。 彼と同世代の芸人の多くが消え去った中、ビートたけしは今だに第一線で活躍を続けています。 その理由は、生き残るためには、いまうまくいっている仕事に満足せず、それがダメになる前に新たなモノを作り出し、切れ目なくつなげてきたこと。そして、そのS字曲線の破壊と創造を繰り返し実行してきた、彼の行動力と洞察力にあるのだと、『間抜けの構造』を読むことで気づかされました。 単なるお笑いの本ではなく、人生のデザインの方法などにも、参考になる一冊です。 間抜けの構造 (新潮新書)/新潮社 ¥714 Amazon.co.jp

”隣の億万長者”

来年NISAが導入されるということで、日本も「貯蓄から投資へ」の流れが活発化しています。 ブームに乗って書籍を売ろうと、NISA関連本がたくさん出版されているのを、皆さんも目にすることがふえたのではないでしょうか。 まず何から読んだらよいのでしょう、これだけ本があふれていれば、迷わないほうが無理というもの。 そこで、NISAで初めて投資デビューする方向けに1冊おすすめしたい本があります。資産を築く上での心構えが学べる良い本です。 『となりの億万長者』です。 これを読んで、資産形成を考える上での至極まっとうな考え方だなとおもいました。 アメリカの学者が、億万長者の生態を調べ上げて、7つの共通点を導きだした労作です。 となりの億万長者 〔新版〕 ― 成功を生む7つの法則/早川書房 ¥1,260 Amazon.co.jp 私はこれまでリーマンショックで投資額が半減して肝を冷やしたり、また中小型株が大化けして留学資金の原資になったりと、損も得も味わってきました。 もし、もっと前にこの本を読んでいたら、私の投資への考え方も変わっていたし、もっと効率的に資産を作れたと思います。 さて、この本の主張は極めてまっとうです。逆に面白みがないほど、地に足の着いた投資生活を進めています。 億万長者への7つの法則 1、彼らは、収入よりはるかに低い支出で生活する。 2、彼らは、資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している。 3、かれらは、お金の心配をしないですむことのほが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考えている。 4、彼らは、社会人となったあと、親からの経済的な援助を受けていない。 5、彼らの子供たちは、経済的に自立している。 6、彼らは、ビジネスチャンスをつかむのが上手だ 7、かれらは、ぴったりの職業を選んでいる 見た目派手な生活をしている、高学歴高収入な人が、必ずしも資産家ではない。 地味に見えても、倹約し、価格の上がる可能性のある資産をコツコツ買い、常に投資の勉強に週20時間ほど使える人が、資産を築いている。 これなら、サラリーマン家庭でも億万長者になることは十分可能だと思わせてくれる本です。 非常に面白かったのは、「自分に合った職業を選んでいること」という条件が、億万長者の法則に入っていることです。 自分に合った職業であれば、過度な無理はせずとも、長く働きづづけられる。それが結局資産形成に一番よいのです。 NISA前夜、もし読む本にまよっていたら、一度手にとってみてはいかがでしょうか。