「あなたの授業に一番かけているものは、芝居っ気だよ」 私の授業をみた師匠はいう。ではなぜ演じなくてはならないのか。淡々と冷静になって授業してはダメなのか。 「こんなこと誰も言わないからいうけどね、ほんとは、生徒は優しく騙されたいの。つまらない勉強も、先生にうまく導いてほしいと思ってる。彼らは心のどこかで、やる気にさせてほしいの。」 そんなものですか、と答える。こんなこと、聞いたことない。 「人を騙せなければ、いい教師にはなれないよ。」 ハッとさせられた。 教師はものを教えるのが仕事だ。でもそもそもやる気のない人には、教えることはできない。まず学ぼうというレディネスを高めるのが必要なのだ。 そのためには、あらゆるリソースを使って生徒をやる気にさせなければならない。「優しく騙されたい」という心理があるなら、教師は芝居っ気を出し、学びたいという意欲を刺激した方が良いのだ。 これを意識して、生徒の表情が重いなと感じると、授業開始時に一芝居を打つようになった。 世界が我々の英語教育に注目している!と、この学校の先取的な英語学習の素晴らしさを、問いかけながら熱く語りかける。 生徒は「またかよ」と失笑しながらも、聞いている。 しばらく経つと、周囲の同僚から「先生、モチベーションない生徒の前で、今日も授業頑張ろうって、熱く語ってるらしいですね」と言われる。 生徒は教師をよくみているものだ。芝居がかっているのも理解する。それで目の前の人がちょっとでもやる気になってくれればいいのだと思う。

文豪ヘミングウェイの日課:Word count

どうしたら書く力を伸ばせるのだろうか。 一つの答えは、一定の英文を毎日書くことだ。書かなければ、書く力はのびない。単純なことだ。だから英文を生成することを日課にする。 ではどうすれば書くことが日課になるか。文豪アーネスト ヘミングウェイは、自分が書いたワード数を毎日カウントしていたそうだ。 He tracked his daily word output on a chart–“so as not to kid myself,” he said Mason Currey “Daily Rituals: How Artists Work” 自分を甘やかさないために、アウトプットした英文をカウントし、毎日チャート表に記入していたという。 自分が書いた単語数をカウントし、毎日記録し続ける。このシンプルな行為が、文豪を生んだのだ。 英語学習に応用できないであろうか。英文を読み、サマリーを書く。ワード数を計算し記録する。やってみよう

速読英単語 標準編の使い方

私は入試対策の授業で、速読英単語 標準編を使用している。 もうすぐクラス内で70パッセージを読み終えるところまでたどり着いた。ここで反省を含め、振り返りたい。 受講生の英語レベルは、皆英検準二級レベルであった。英文法の基礎は固まっていないが、大量の英語を読み聞きしているので、大意を掴むことは割とできる。彼らに、11月までに英検2級合格を目指そうと語り、授業をスタートさせた。 結果、11月の時点で、英検2級合格は12パーセントのみだった。まだ入試まで時間があるが、不十分な成果と言える。 まず、速読英単語の英文を理解できない生徒が多かった。ブツ切れで入試問題が並んでいるだけなので、読む意欲を持てない生徒も多かった。読む意欲を引き出す工夫がいる。 文法問題もある。文法の基礎を身につけていない生徒は、入試レベルの英文をなんとなくしか読めていない。後置修飾、関係代名詞の構造が見抜けない。英文の骨格である主部と述部を認識できない。これであると、いくら英文を読んでも、ぼんやりとしか意味が取れない。英検2級合格できない生徒は、英語の選択肢や設問を誤読しているケースが多く、正答にたどり着けない。最低限、主節の動詞を見抜けるよう、指導する必要がある。 この速読英単語 標準編は、音声重視で学ぶのが良い。CDは、割とゆっくり読まれ、意味の句切れでポーズもあるから、理解を助ける。 常にCD音声を聞きながら本文を読む。まず黙読。 次に声を出して読むことをパラレルリーディングという。これも行う。 また漆塗りのように何度も読むのが良い。1回目は概要理解を目指す。せっかくの日本語訳を積極的に使う。 同時に単語の意味も確認する。CDを聞きながら、英文を黙読し、意味が頭に浮かぶようになればいい。 2周目は、文法の構造理解を目指す。1パッセージで、一つか二つに絞り、主部述部を見抜けるようする。教師は問いかけ、理解を促したい。 声に出して、五感を使う。