Odyssey Reading

多読学習の支援ツールを開発し、実践を続けている。

ワークシートのネーミングをどうするか。多読をするとき、イメージしてほしいことはなんだろうか。

MBAのナレッジマネジメントの教授が、”Learning is a risk taking activity.”といった。リスクを伴うチャレンジをしたとき、人は学ぶのだ。

読書とは、単に知識を得る活動だけではない。自分の人生を豊かにするための、知的な冒険だ。

本を読む前に、大胆な仮説や推論を立ててから読むとどうだろう。さまざまな可能性をいったん捨て、思い切って「こんな話だろう」「こんな単語が使われているかもしれない」と、自分の既存知識を活性化させる。

既存知識を活性化し、自分なりに話の筋を作ってみるからこそ、実際に読んだときに、本と対話ができる。自分の意見を持たない人は、相手と対話はできないはずだ。せいぜい「そうですね」と相槌をうって、意見に迎合するぐらいだ。

多読活動を、単なる楽しみを越える、「知的な冒険」と定義してみたい。読書前の活動は、いわば冒険の準備だ。丸腰で冒険するには、少々心もとない。思い切ってタイトルや表紙から内容を推測し、読書という冒険の地図を片手にぼ冒険を始める。

「地図」を基に、本の内容と対話しながら、話の筋を追っていく。読書中の活動だ。

読書を終えると、「冒険」を振り返る、読書後の活動が待っている。冒険の記録をしたためるのだ。この振り返りが、自分にとってこの「読書という冒険」がどのような意味があったのかを、はっきりと教えてくれる。

自分の人生を豊かにしてくれる本との関連性を見つけだす。スピーキングやライティング活動に生かせそうな表現を見つけ、「武器」を増やす。どんな話だったかを要約し、冒険を経験していない第三者へ伝える「冒険の記録」を作り、第三者に「冒険の語り部」として本を語る。

このプレリーディング活動→インリーディング→ポストリーディング活動の一連の流れで、私の生徒は1冊の本を深く味わうようなっていった。知的な冒険を楽しんでいた。

このワークシートを、Odyssey Reading と名付けたい。Odysseyとは、ホメロスの書いた、冒険の大叙事詩。「放浪冒険旅行」の意味だ。放浪には危険が伴う。多読という活動を、少しでも知的でエキサイティングなものにしてほしいという思いを込めた。

改良を引き続き加えていく。