「あなたの授業、結局何も身につかなかった」と、生徒に言わせないために・・・

英語を教え始め、1年の終わりのことです。 1年間教えた生徒に、授業アンケートを求めました。 おおむね好意的なコメントが多かったなか、「結局、英語は何も身につかなかった気がします」と書いてきた生徒がいました。 1年前の授業開きのときに、私は、生徒にどうなっていて欲しかったのか。どんな英語力をつけさせ、次の学年に送り出したかったのか。 こうした問いへの、明確な答えを私は持っていませんでした。 結果、「1年授業を受けても、何も身につかなかった」というコメントを、この生徒に書かせてしまったのです。 これを読んで、頭をがつんと殴られた気がしました。 彼に「申し訳なかった」と思う一方で、次に教える生徒には、なんとか英語力のミニマムを保証したい。 中学英語の基礎がぐらぐらで、英語が全く出来ないと自信を喪失している生徒にも、これだけは身につけさせてやりたい。 では、それはいったいなんだろう。1ヶ月間考えました。 身につけさせたいもの、それは英語で会話を「続ける力」と、英語で自分の想いを「書く」力かな、と定義しました。 まず、英語で疑問文を作って声に出せる力です。質問が作れれば、とりあえず会話が続けられる。 そのために、「スラスラ!英会話」を作成しました。これだけは暗唱し、高速で言えるようになってほしいという想いです。 ペアワークで繰り返し定型表現をQ&Aさせ、定着させていきます。 次に、英語の定型表現や基本的な文をノートに書く力です。基本的な文を書ければ、それが自信となって、自分の想いを発信する土台となる。 これには、基本的な文の徹底的な音読しながらの筆写が不可欠であると、私の大学院留学時代の経験から結論付け、「マメパワノート」という音読筆写用ノートを作りました。マメに書きつづけることで、書く力がつく、という想いをこめています。 自習活動として、書いた文に連番を振り、意味の分かる文章をひたすらマメに書き続けさせます。 1年後、「結局、英語は何も身につかなかった」と言う生徒を生み出さないために、スピーキングとライティングを鍛えるツールを開発しました。1年かけて、実践してみたいと思います。

カランメソッドからヒントを得た、「スラスラ!Q&A英会話」

私が勤務する高校では、中学英語の基礎を身につけず、高校に進学してきた生徒が大多数を占めます。 特に文法知識がぐらぐらな生徒が多いです。 当然、高校教科書で扱う文法項目は、いきなり教えても理解できません。 そこで、英語のQ&Aを繰り返し発話させて表現や文法事項を覚える、「カランメソッド」にヒントを得て、「すらすら!Q&A」(1場面完結の、文法項目別Q&A対話集)を作ってみました。手順は次の通りです。 ・教科書で扱わなければならない文法事項の例文を書き出し、それに対応する疑問文を作成する。 ・ストーリー仕立てにQ&Aを10組程度ならべる。 ・コミュニケーションのスキットとして、hello, how are you? から始まり、See you soon.等、別れまでのパターンとする。 ・時間制限を設け、1分程度でペアでQ&A対話集を 効能としては、 文法事項をQ&A形式で発話し合い、実際の使い方を体感できる ペアでQ&Aを読み合うことがベースの活動なので、英語が苦手な生徒も取り組める Q&Aをペアで繰り返したあとに、文法事項を説明すると、生徒の理解が速く、また深くなる 生徒の習熟度に応じ、自分たちで活動の負荷を調節できる 教科書の文法事項を、理解させるだけでなく使えるレベルにまで習熟させるためには、こういったQ&A対話集を自作することも有効だと思います。