Extensive Listening first

多読多聴を指導しはじめて1年が経過します。 当初、指導方法に苦労しました。 多読の大切さはこれまでの英語学習経験、とくに留学経験から、重要だと分かっていました。 同時に生徒を指導する際も、「易しい本を、大量によむこと」など、具体的に指導しやすかったのを覚えています。 しかし、多聴については、当初は重要性も、指導方法も分かりませんでした。 私自身がリスニングを苦手としているので、余計に多聴指導に苦労したのです。 自分自身も多読を開始し、9ヶ月間で1400冊の絵本や洋書、累計89万語を読んだ計算になります。 多聴については方法が分からず、ほとんど取り組みませんでした。 そんなとき、ある多読多聴塾経営者の本を読み、はっとさせられたのです。 それは、「朗読CD音源は、一定の速度で読まれている。この速度に合わせて文章を理解しようと努めることで、読書スピードを向上されることができる」という発想でした。 試しに手当たり次第、音声付きのgraded readerなどを借りて、リスニングしながら読書しました。 すると、確かに読書スピードが早まるのです。音声に遅れないよう、注意深く読書せざるをえません。 また、英語の音にも慣れ、多聴extensive listeningはスピーキングにも役立つ感覚です。 言語は、音声が先に生まれ、あとから文字が作られた。 子供も耳から言語を覚え、発話し、それから読み書きを身につけていく。 とすると、英語学習の中心を、リスニング、特にextensive listeningに比重を置く事は理にかなっている。 多読に比べて、多聴の効果を実証した研究は少ないようです。 いつか仮説を立てて、効果測定してみたいと思います。 さて最後に、効果的な多読多聴の方法について。 読書の際は、次のステップを心がけています。 1、挿絵や写真を大切に。まずイメージを膨らませよ。 2、音声を大切に。挿絵や写真を見ながら、音声を聞いて内容を想像しよう。 3、最後に、音をききながら文字を読もう。音と文字を一致させよう。 自ら実践し、そこでの知見を基に仮説を立て、4月からの授業で実践してみようと思います。

授業のゴールにstory retellingを設定して気づいたこと

今年の1月から、生徒の到達目標を「story retellingが出来る」、と設定しました。 スピーキングテストでは、英語ネイティブと生徒がone on oneでretellingを行います。 当初は「出来ない」「絶対無理」というネガティブな声が多数聞かれました。 そこでretellingにつながる課題を一つ設定しました。 教科書本文の暗記を促すため、本文を虫食いにした「穴空き音読シート」を作成し、1分あたり120ワード程度のスピードで音読する課題です。単なる音読よりも負荷がかかり、story retellingのハードルを下げる働きを期待しました。結果として、retellingの質が少し上がった、とネイティブ教員が話していたので、嬉しかったです。 私が授業冒頭で行うoral introductionが、生徒自身が行うスピーキングテストのretellingモデルだと気づいた生徒達は、これまでよりも真剣にoral introductionを聞き始めました。 私自身、シャドーイングや英語のつぶやきを行う習慣が生まれ、スピーキング力がすこし向上している気がしています。 課題は、生徒とのinteractionが不足している点です。 oral introductionを毎回文章で書き、interactionの台本を作ることを、来年度はなんとか続けたいです。 来年度からの授業は、改めてstory retellingとdictogloss(ディクテーションをベースに、ペアやグループでの英文書き起こし活動)をゴールに据える予定です。 そして生徒に課すretellingの内容から、授業内容を逆算して作ってみたいと思います。 冒頭のoral introduction=story retelling という図式を作り、授業に一貫性を持たせるのです。 また、oral introductionの前には、information gapを利用したジグソー法で本文の大意をつかませる活動も入れる予定です。 授業改善を続けていきたいとおもいます。特に、今後どの学力レベルの学校に赴任しても、まず私自身が楽しく英語を教えられ、生徒の英語力も伸ばせるような授業スタイルを確立したい。そして、授業準備を通じ、自分自身の英語力も高め続けたい。これを次年度の目標に据えたいと思います。

JETやALTなどの外国人教員を使ったspeaking testの効果

ネイティブ教員に対して、生徒が教科書本文の音読とRetellingを行う、スピーキングテストを導入しました。 音読は、本文は50秒以内で、ネイティブに伝わる発音で音読すること。 retellingは、本文の内容を示した写真やフレーズを見ながら、1分間本文について話すこと。 この2点がスピーキングテストの内容です。 効果は上がりました。 ・授業内の音読に対する熱量が高まる ・写真を見ながら自分の言葉で本文を発話する、retellingを行うためには、内容の理解と本文の十分なインプットが必要であることを、生徒自身が実感できる ・ネイティブに伝えるという目的が生まれ、単語の発音に関心がうまれる ・家庭学習を行おうという意欲が(すこし)うまれる ・内容を理解しないとretellingできないため、結果として生徒の本文の内容理解が深まる ・たとえ2〜3分でもネイティブとone on oneで英語を話す機会を持つ事で、「英語で伝えたい」「伝わった」という感覚を持てる 改善点は以下の通りです。 ・本文の単なる音読のみよりも、本文の重要語句を穴空きして音読させてインプットを深め、retellingを行い易くするほうがよい ・年度の途中から導入したため、speaking testの活動を十分理解していない生徒が多数みられた。 年度当初からspeaking testを導入すれば、「授業での内容理解や発音理解」→「授業内や空き時間での自己学習」→「speaking testにのぞむ」→「ネイティブにもっと伝えたい、という意欲が生まれる」という好循環が生まれ易い。 ・retelling活動の意義を十分に伝える。 ・授業の内容導入時に、oral introductionとして教師がretellingのモデルを見せる。分かり易く、シンプルな英語を心がける。 ・retelling は、本文を丸暗記して、それを発話するもの、と考えている生徒が多いため、自分の言葉で言い換えて、相手に内容を伝えることを主眼に置かせる。 ・文法訳読方式を取っていないため、explanationの時間を3〜5分だけ取るなど、どこかで丁寧な本文の文法事項説明を行いたいが、手法を試行錯誤中である。 私自身の気づきは次の通りです。 今年からの授業で、本文導入時にoral introductionを行い、生徒に「本時のゴール」を提示する方式を取りました。 当初はoral introductionに関心を見せなかった生徒も、speakingテストを体験したあとは、「ああ、授業内容がスピーキングテストとつながっているのだ」と理解できたようです。 また、毎回oral introductionを行うために、powerpointとscript作成を行う習慣が生まれました。 本文内容を自分自身が覚え易く、生徒にも理解し易いように編集し、スライドを作りながら英文のscriptも書きます。 私自身の本文理解が深まり、本文の口頭導入のためにscriptを暗唱し、ぶつぶつ発話練習しています。 本文自体の暗唱や完璧なシャドーイングをして授業に望みたいので、50〜100回以上は音読シャドーイングを行い始めました。 生徒への授業準備が、結果として自分自身の英語力向上にもつながる実感があります。 私のoral introductionや本文導入などを見た同僚の先生から、「これ、毎回やっているんですか。準備大変そうですね」と聞かれました。 しかし、英語を発話する、スクリプトを書くこと自体が楽しいため、それほど苦ではないのが実際のところです。 この1年で自分の授業の型を作ることを目標としてきました。 最低限の目標は達成できたかな、と思います。