NHK語学ラジオ講座の使い方について

私はNHKラジオのビジネス英語を、1年間聴き続けてきました。ボキャビル用として使っています。 この3月は最終月ということで、すこし寂しいです。 テキストとCDを買いに書店に立ち寄ったのですが、どうしてもCDが見当たらないのです。 これは困りました。 こんな話をきいたことがあります。 NHK語学テキストの売り上げは、4月がピーク。その後、徐々に聴講者が減り、3月には売れなくなる。 そして、また新年度の4月に新番組がスタートし、リスナーが飛びつくので、売り上げが跳ね上がるが、それも続かない。そんなサイクルが繰り返される・・・。 まさに、3月はテキストもCDも売れないため、業者は生産を絞ったのでしょう。楽しみにしていたCDが変えませんでした。 そんな新年度4月が、またやってきます。 書店では、NHKラジオ英語のテキストが大量に平積みされています。 新年度からは、海外勤務経験豊富な銀行員が、新しく入門ビジネス英語を担当されるそうです。番組を楽しみにされ、聴講される方も多いのではないでしょうか。NHK語学講座は、低価格で、良質な内容を提供してくれる、得難い英語教材です。特に表現や語彙サンプル集として良いと思います。   一方、良心的なNHK語学講座は、語学力を鍛えるというよりは、今持っている語学力を維持したり、英語に最低限触れる習慣化する為には有効ですが、それ以上は期待出来ない、期待すべきでも無い、と言えるかもしれません。 語学講座はあくまで「楽しみ」であり「娯楽」に過ぎず、聴講を続けていても語学力の劇的な伸びは、残念ながら期待出来ません。学生時代、毎日聴き続けて、なんとなく勉強している「気に」なっていた、過去の自分への戒めでもあります。 当たり前な事ですが、そもそもNHK語学講座を担当されている講師の方などは、NHK語学講座で語学力を鍛えた訳ではなく、留学や実践経験などで苦労しながら語学を磨いた人たちです。 やはり、語学は使ってなんぼですし、暗記暗唱、留学や仕事での苦闘の中で身に付くもの。 地味な反復練習、基礎知識の習得が不可欠であり、それを恥をかきながら使ってみて、初めて体得できるモノのはず。 魅力的に見える、たくさんのNHKラジオ講座に目移りしそうになりますが、4月からのNHK語学講座も、これまで同様「ビジネス英語」一本に絞ります。 あくまで、日々英文暗唱したり、記事を多読精読して出会った語彙と、もう一度音声で出会う場としての、「単なるボキャビル用教材」と割り切って、聴講したいなと思っています。 語学講座は受け身の学習であり、上達の実感がしづらいので、目的をできるだけ絞って使うと、期待する効果が得られるはずです。

英語を話すために、文を作るという幻想をすて、小さな英語を繋げていくことを考える。

IELTSやTOEFLiBTでは、45秒ー2分程度、即座にスピーチすることが求められます。 即興でできるだけ流暢に、長く話す必要があるのです。簡単なプレゼンテーションを、即座の作るイメージです。 これは日常生活でも、自分の主張をコンパクトに相手に伝える場合などにもつながるので、こうしたスピーキング力を鍛えることには意味があります。 特に有効なのが、英語のロジック、つまりフレームワークを使って、言いたい事を構成し、発話する練習です。 私はイギリスの語学学校で、簡単なフレームワークを提示され、それについてペアで意見を話し合うという練習を良く行いました。 I think, because- . One of the examples is that -. I disagree with your idea. Certainly, . but I believe -. 英語表現力に限界のあるノンネイティブほど、こうしたフレームワークや、ディスコースマーカー(相手に会話の方向性を示す記号、フレーズ)を多様し、英語の論理構成を見える化すべきでしょう。 『英語感覚が身につく実践的指導ーコアとチャンクの活用法』という本に、流暢性をたかめるためには、「表現の流れを作る」必要があり、そのために「行動や思考のスクリプトを記述」する練習方法が提案されています。 「どういう情報をどういう配列で並べるか、情報の階層化をどうするか、具体的な内容をどれだけ盛り込めば相手に分かってもらえるか、時間は何分でそれを最大限に利用するには、どういう情報を盛り込むべきか、等々、のことを考慮しながら、スクリプトを作成する スクリプトの作成とその英語化は、おそらく、実践的に英語を学ぶ上でもっとも有効な方法論であろう」p.254 例えば、、 1、注意の喚起(おや、何かおかしいぞ) 2、問題の記述(問題はここだ) 3、問題の説明(問題を分析すると) 4、解決策の提示(こうすればよい) 5、結論付け(だからこうしよう) この本が示唆的なのな、英語をより流暢に話すために、完璧な文章を作り続けなければならない、という義務感から解放されるべきだ、と言っている点です。 「実際、何かを話そうとした場合、完全な文がいきなり浮かんでくることはなく、むしろ表現断片が呼び起こされ、それに新たな表現断片を先行断片に連鎖化させることで、言いたい事を表現する。これが日常言語での表現プロセスである」p.187 このでの「表現断片」を「表現チャンク」または単に「チャンク」と呼び、これが別のチャンクを呼び起こして連鎖化するのを「チャンキング」と読んでいます。「文連鎖」でなく、『断片連鎖」であるというのです。なるほど。 このチャンクは、(1)言語単位による基準として、句と節、(2)慣用性による基準として、慣用表現に分けられるそうです。つまり、文法知識で句や節を生成するベースを持った上で、動詞+αのコロケーションや、副詞句などのコロケーションを覚え、思考や行動のスクリプト、つまりテンプレートを使って、チャンキングをスムーズに生成することで、発話の流暢性を高める事ができる。 文を作る、という幻想をすて、 チャンクを繋げる、つまり、小さな英語で実践する。 こうした発想は、スピーキングテストのみならず、日常生活でも活かせる発想かもしれません。

『新・基本英文700選』を暗唱するベネフィットと注意点について

英語力を向上させたいと思う人なら、一度は手に取ったことがある参考書。良書は大量に出版されているので、いくつか挙げられると思います。 中でも『新・基本英文700選』は、その目的が明確なタイトルのため、購入された方も多いのではないでしょうか。 先日、ようやく『新・基本英文700選』を学習し終えました。 学習し終えた状態というのは、『新・基本英文700選』は2ヶ月半かけて繰り返し繰り返し700文を全て暗唱し、ランダムチェックを受けて、日本語⇒英語に瞬時に口頭で訳すことができた状態をさします。 ちなみに、『英文解釈教室』も以前に読了し、英文解釈の基礎トレーニングを一通り終えています。 英文の暗唱を終えて、自分の中で変化を感じるようになりました。 そこで、英語学習者にとって、この本で何が得られるのかをまとめてみたいと思います。 前提として、英語の基礎力なしで、いきなり700選を暗唱するのは、単なる音声と文字の丸暗記になりがちです。応用可能性の低い知識となってしまい、努力が無駄になってしまします。そこで、まずは中学英語レベルの表現を口頭で英作文するなど、英語の基礎がきっちりと身についてから700選に進まれることを強くおすすめすます。有用な本ですが、挫折率も高い「危険な」本といえますので、ご自身の英語力に会わせて使うべき教材です。いきなり700選に取り組まないことが肝要です。 リーディングでの変化 難易度の高い文章に触れても、「これ、これまでに暗唱した英文のうちの、あの型に当たるのでは?」と、推測が可能になり、文章をすっきりしっかり捉えられる。 700選の冒頭には、この本は「英文の「型」の全体像を提示する例文集」という謳い文句が記されています。 暗唱して、確かに感じます。私はThe Economistが好きで良く読むのですが、暗唱した例文の型が体に染み付いているので、文章を読んだ時、分かりづらい箇所でも「あの文型、パターンに近いかな」と推測したり、検討出来るようになり、結果として文章の構造を楽につかめるようになりました。 以前は文章を読んでいても、なんだかふわふわした感覚で、きっちり読めていないという、いやな感覚が残っていたのですが、今はすっきりと英文構造を捉えている、確かな実感を持ちながら読めるのです。 注意点は、700選と英文解釈教室はセットで学習することです。まず英文解釈教室を読了し、英文を読むとはどういうことか、体感する。 そして700選を暗唱する 理由は、2つは関連性が高く、補完し合っているとすら感じます。また両方学ぶことで、相乗効果が見込まれるためです。700選だけだと、文法の説明が簡潔すぎて足りないのですが、英文解釈教室を読んでいれば、「この箇所か」と自分で補いながら学習できると思います。 。 スピーキングの変化 暗唱した例文に含まれる、豊富なコロケーションや文型の知識が、スピーキングする際に自分を助けてくれる。 私は700選の暗唱を、筆写はせず、すべて口頭暗唱で行いました。筆写も暗唱に効果があるのですが、筆写してしまうと、それだけで安心してしまい、結局暗唱を妨げることもあるためです。日本語をみて、英文がスラッと出てくるまで、繰り返し繰り返し暗唱します。1冊の本を何回転したでしょうか。20、30回以上は、暗唱を繰り返しました。すると、ディスカッションの場で、暗唱した英文の文型やコロケーションを、引っ張りだして使っている自分がいます。暗唱した文型を軸にして作る英文は、型が崩れずブロークンになる危険もすくなく、安定もします。これは、英文700選が基本的にはライティング強化のために編纂されている点から考えると、非常の面白い効果と言えます。 ライティングの変化 こちらは、今後検討していきたい点です。 なぜかというと、私は大学院でさんざんエッセーや論文を書かされ続けてきたので、アカデミックな英文を書くことに元々慣れがありました。あまり苦手意識がないのです。なので、700選を暗唱して、劇的に英文を書く力が向上したかというと、まだ分からないというのが実感です。これについては、今後いろいろな英文を書くことを通じて、その効果を検証したいと思います。 一般的には、ライティングが苦手な方にとっては、700選の暗唱は英文の型を覚えるのに非常に効果的です。 しかし、この表現集は口語と文語体がごちゃ混ぜに構成されており、どの場面でどの表現を使うべきかという、Usageの点からは素直におすすめ出来ず、さらなる学習が必要なのもまた事実です。 たとえば、英文ライティングを向上させるには、まずアカデミック論文の書き方をがっつり学び、堅くオフィシャルな英文に慣れたあと、誰に書いても気分を害する可能性のないライティングを学び、その後、それ以外は口語的なくだけた表現だ、とあたりをつけると、usageの感覚が身に付くのでは、と思います。 さて、700選批判で良く有るのが、「こんなセンテンス、googleで検索してもほとんど出てこない」「文法事項が複雑すぎて、自分が実際に書いたり話したりする場合、使うべきではない」といった意見です。確かに一理あります。 しかし、700選は「英文の型」を体に覚えさせるための教材であって、この700選の表現だけを使って話したり書いたりすべきものではないのです。全てが実務や会話で使える表現ではないのは事実ですが、しかし高度に複雑な文法事項を暗唱することで、別の機会、たとえば読書の際、同じ文型に出会った時、理解を自動化してくれるなど、英文の処理能力を高め、網羅的知識を広げてくれるのです。 私が言えるのは、700選は、全ての目的を満たす完璧な文例集、ではもちろんない。しかし、一度完璧に暗唱すると、英文のセンスが高まり、読解やライティングが楽になる。特に英文の原書や、The economistなどを読んだり、論文を書いたりしたい人には、有用である。そして、個々人の目的に合わせ、他の英文を更に暗唱する際の、確固たる土台となりうる、という点です。   関連記事 「新・基本英文700選』 ⇒「新・基本英文700選』を暗唱するベネフィット ライティングについて」 http://learningshelf.net/2015/06/24/『新・基本英文700選』のベネフィット〜ライ/ ⇒「新・基本英文700選』を暗唱するベネフィット リーディングについて」 http://learningshelf.net/2015/02/26/英文700選の暗唱(地味)と、リーディング力/ ⇒「新・基本英文700選』を暗唱するベネフィット スピーキングについて」 http://learningshelf.net/2015/03/06/新・基本英文700選などの構文暗唱でスピーキ/ ⇒「「英文読解教室」を読了して」 http://learningshelf.net/2014/12/28/英文読解教室を読了して/