一芸に秀でた人に任せる

一芸に秀でた人は、強い。

最近、授業で使用しているワークシートがある。70人ほどに、週2回取り組ませている。今後効果検証を行うが、英語力と意欲の変化が見られることを期待している。

妻にワークシートを見せると、「内容はいいが、デザインを考えた方がいい」という。味気ないデザインなので、学習者はやる気がでないのでは、という。

確かにそうだ。ある生徒に聞くと、「あのワークシートを見ると、眠くなる(笑)」という。

そこで一計を案じた。工業デザインのスキルを持つ生徒に、ワークシートのデザインをお願いしてみた。

2週間後、出来上がったワークシートを持ってきてくれた。素晴らしい出来だった。シンプルで視認性が高まり、ワークシートのレイアウトもずいぶんとすっきりした。大げさなようだが、市販の教材のような外観になった。あまり期待していなかったので、驚いた。すごい、とほめちぎってしまった。

デザインのセンスがない私には、とてもありがたかった。一芸に秀でた人に任せたことで、素晴らしいものが出来上がった。生徒もうれしそうであった。

この生徒は、芸術系の進路に進む。センスがあり、スキルもあるので、将来有望である。一芸に秀でた人は、それを磨き続けていけば、とてつもないキャリアを築いていくだろう。

後日談がある。家庭内のゴタゴタで不安定なこの生徒が遅刻してきた。「おまえ、すごい才能持ってるんだからさ、頑張って朝もしっかり登校しろよ」と声がけする。

生徒が去った後、横で聞いていた同僚がいう。「先生、優しいですね。私ならそんな声がけしない。」

「え、そうですか?」優しく言ったつもりはない。ただこの子の持つ才能を認めつつ、注意しただけだった。こういう声がけを、これまで私はしてこなかった。

目の前の生徒の長所を発見してやり、声がけする。これも愛情表現かもしれない。