資格試験はあくまで「手段」

日本で英語を学習する場合、資格取得を目標とすることが一般的です。例えば英検やTOEICは代表例です。
しかし、ただ試験に合格すればいい、という事ではありません。
あくまで、資格取得は英語力UPのための手段です。
往々にして、資格取得が目的化し、非常に偏った英語学習に陥ることがたたあります。

では、実用に耐えうる英語を身につけるための学習とはなんでしょうか。
大原則は、相手に通じる英語を目指す、ということです。そのためには、やはり「発音」への意識は大変重要です。
発音記号を覚え、単語を正しく発音できることを意識し続けることが、結局は使える英語の近道なのだろうと思います。

さて、勉強のためと、先日とある英語学校2つで体験授業を受け、発音について非常に印象的な経験をしました。

1つ目は、英検受験を中心とした、とある「カリスマ学長」が直接指導する英語塾です。
価格は週1回4ヶ月、17万円です。非常に高額な「商品」です。
授業の前半に模擬試験(語彙、読解、ライティング、リスニング)を解き、後半に学長が問題を解説する、という形態をとっています。
「英検1級合格に特化」している内容で、もちろん資格合格が最大の目的です。
英検は語彙が40%だから、急いで語彙を覚えましょう、という趣旨で、大量の語彙問題を解きます。
授業は非常なスピード感をもって進むため、この感覚が好きな方には合う授業のようでした。
英検合格が目的の方には、面白いかもしれません。

一方で、残念ながら、私は強い違和感を感じました。

講師の方は、語彙に造形がふかく、それこそ何万語の知識が頭のなかに入っているようでした。
しかし、「実用に耐えうる」という点から考えると、一つ問題がありました。
講師の方の発音が、完全にジャパニーズイングリッシュなのです。基本的な発信語彙も、英語の発音ではありませんでした。
これは、大変ショックでした。
英語の発音はまるで無視しているとしか思えず、語彙をスペルと意味だけで暗記しているようでした。残念ながら、これではいくら単語を覚えていても、実務では使えないのです。

おそらく、これが「資格合格を目的とする英語学習の欠点」ではないかと思ったのです。
資格試験を過度に意識した結果、音声無視で、ひたすらボキャビルをすることの弊害かもしれません。

2つめに訪れたのは、「茅ヶ崎英語」の教室でした。
こちらは授業料は月謝制で、週1回月1万円と、良心的な価格です。
授業はダイアログをリスニングしながら大意をメモし、日本語で訳をリプロデュースする形式がメインでした。

茅ヶ崎英語は、特に資格試験合格を標榜している英語学習法ではありません。
「聞けない英語は話せない」というコンセプトから、リスニングを中心として、良質なインプットを繰り返し、ゼネラルな英語力向上を目指します。

講師の方の発音を聞いて「はっ」と思ったのですが、基礎レベルの単語を正しく発音されているのです。
私は、「時間はかかるが、こちらの学習法のほうが、後々に使える英語が身に付く。実用に耐えうる英語力がみにつく」と感じました。

英語力UPには、「9割の良質なインプットと、1割のアウトプットがあればよい」ということが、最近の第2言語習得研究でいわれていますが、この点に関しては、茅ヶ崎方式での学習は良いインプットとなります。
こちらはおすすめできると思います。

英語の資格試験は英語学習のモチベーションとなりえますが、一方で、あくまで使える英語力を身につけるための「手段」に過ぎません。
いくら試験のため、そして受信語彙獲得のためといっても、音声無視、発音無視で単語を覚えては、「実用に耐えうる英語」とはならず、英語学習としては片手落ちと考えられます。
資格試験を勉強モチベーションのドライブとして活用しながらも、音声、発音に重きを置いた良質なインプットを繰り返すことで、英語力を高めていくアプローチが良いのではないでしょうか。

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