『イノベーション・オブ・ライフ』”How will you measure your life?” クリステンセンのHBR論文から

幸せなキャリアを築くためには、何が必要か?

就職活動している学生のみならず、既に働いている社会人にとっても切実な問いではないでしょうか。

私もUniversity of BathのMBAを終了した際、進路に迷っていました。

もう会計のキャリアは捨てて、教育業界で仕事をしたい。そして英語塾を立ち上げたい。
しかし、留学で資産はほぼすべて使い果たしたので、ある程度高給が見込める仕事でないと生活できない。
やりたいことがある一方で、自分を高く評価してくれる仕事で多くの報酬をもらいたい。そんな虫のいい悩みを抱えていたのです。

そんなMBA後のキャリアについて悩んでいたとき、”イノベーションのジレンマ”で有名なクリステンセンのHarverd Business Review(HBR)の論文を読みました。

http://www.pma.org/mda/assets/library/3-3/D%20-%20How%20Will%20You%20Measure%20Your%20Life.pdf

“how to be sure we find happiness in our careers is from Frederick Herzberg, who asserts that the powerful motivator in our lives isn’t money; it’s the opportunity to learn, grow in responsibilities, contribute to others, and be recognized for achievements.

”幸せなキャリアを見つける方法は、Herzberg(ハーズバーグ)から見いだせる。
彼は次のように断じた、人生における強力なモチベーションは金ではない。
それは学習する機会であり、責任下において成長することであり、他者に貢献することだ。
そして達成したことが(他者に)認識されることだ。”

その通りだと思いました。

ハーズバーグは人を動機付けている原因を提示した学者です。
二要因理論(モチベーション理論)といい、人は衛生要因と動機付け要因によって仕事の満足と不満足を感じる。
衛生要因とは、それが満たされないと不満を感じる要因。報酬が代表例。しかし、衛生要因が満たされる=不満がない状態である。満足している、ではないことがポイント。人は報酬が増えても、やがてそれに慣れ、もっと欲しいと不満を持つ。
一方、動機付け要因は、仕事への愛情を生み出すもの。例えばやりがいのある仕事、他者による評価、責任、自己成長などです。

つまり、仕事を探す上で、そして自分のキャリアをデザインしていく上で、「自分の動機付け要因を満たせる仕事かどうか」を基準に据えることは、仕事への満足感を得られるキャリアのために、大切なのです。

私はMBA後、外資製薬会社のマーケティング担当や、国内大手住宅メーカーの外人CFO直下の海外経理など、高給の仕事のオファーをもらいましたが、断りました。
これまでやってきたことの延長戦上であり、新しいことを学ぶ機会が限られること、そしてお金だけでキャリアを決めてはいけないのではとおもったのです。
間違いなく、動機付け理論、そしてクリステンセンの論文は私の決断に影響を与えていました。

給料はそこそこでも、新たな「学ぶ機会」を得られる職として、国内上場企業の子会社でのCFO職を選びました。
鶏口牛後とはよく言ったもので、大きな組織で歯車の一つになるより、組織は小さくとも自分が大きな責任を負うほうが、私にとってはキャリアは充実するはずとおもったのです。

実際、責任と比例し、職務権限の大きさは驚くほどです。
大企業で4、5年かかって担当する仕事の範囲を、1年で経験できてしまうのです。

もちろん自分の成長に合わせて、動機付け要因を満たしてくれる職はかわっていくことも当然あり得ます。
私も自分の動機付け要因を最大化できるよう、常に2歩先を見据えて、いくつかのキャリアの可能性を同時に走らせています。

彼の論文は、本にもなっています。
邦題は「イノベーション・オブ・ライフ」です。
この本が胸に迫るのは、高名な経営学者がガンを煩い、死に直面してから書いた点です。

キャリアに悩まれている方、クリステンセンのひと味違った「人生論」に興味のある方は、ご一読をおすすめします。

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