イギリス人に学ぶ、自分だけの人生を生き切る秘訣

毎年12月になると、リクルートスーツに身を包んだ学生たちの群れを目にすることが多くなります。
冬の風物詩ともいえる大学生の就職活動は、日本人にとっては珍しいものではありません。

もちろん自分を客観視してこの就職活動を人生のなかにどう位置づけるか、明確にできている学生も少なくないでしょう。しかし世の中の雰囲気に飲み込まれ、そして周囲にせき立てられ、自分の人生をじっくり考えることなく、多くの大学生は職探しに走り出す。それもまた事実でしょう。

この就職活動というゲームに長じる学生は、大量の内定を獲得する。一方で、期間限定で自己アピールして自分を売り込むことに不得手な学生は、思うような成果をあげられない。
かくして、うまく大企業への切符をつかんだ学生はスキルを高め、収入も積み上げていけるが、就職活動でつまづいた学生は満足な職にありつけず、世に言うブラック企業などで働かざるを得なくなったり、非正規雇用の道に進んだりと、そのハンディを背負って社会へたたき出されるのです。
みなおかしいと思いながらも、他に選択肢がないためルールに従っている。

よくいわれるのは、こういった就職活動状況は、日本特異なものである。というもの。
確かに学生全員が地味なリクルートスーツに身を包んで一斉に就職活動する光景は、欧米ではみられない。

しかし、日本が欧米と比べて特異なのは、キャリアに対する考え方が著しく画一的である点ではないでしょうか。
学生の様々な個性、特性、趣向といった多様性を軽視し、社会人の職はかくあるべし、といった目に見えないsocial pressureプレッシャーが存在するのです。

私は英国にMBA留学して、キャリアの考え方について大きなパラダイムシフトを経験しました。
英国で出会った友人は、それぞれがどこにでもいる平凡な社会人でしたが、かれらは真に自分の人生を生ききっている。そういう魅力的な人に出会えました。
ここでは、彼らのキャリア観を題材に、我々日本人がどうしたら幸せなキャリアを形成できるかを考えてみます。

私が留学中、衝撃を受けた一言がありました。

「他者の目を気にせず、自分が心から楽しめることを仕事とする。そうでなければ、人生の大半の時間を嫌な仕事に費やすことになる。自分の人生は惨めなものになるよ」

私がMBAコースで出会ったイギリス人女性が、こういっていました。彼女は既にMBAを卒業し、自分のコーチング会社を立ち上げていました。創業して20年といいます。

「決して稼ぎは多くはないが、自分が心から楽しめる仕事をやっているから、毎日楽しいよ。私は今年50だけど、そう見えないでしょ?」

たしかに彼女はどう見ても50歳には見えないほど、エネルギッシュでした。
私も彼女と同じように、自分がこころから楽しめることを仕事としたい、と強くおもったのです。

高度成長が見込めない成熟したイギリス社会では、個人が独自の価値観をもって生きています。何となく不安だから、他者と同じ行動をしなければならない、同じようなキャリアを歩まなければならない、という発想は存在しないのです。

人生の大半を費やす仕事だからこそ、自分が本当に楽しめることを仕事とする。
きわめてシンプルな考え方ではないでしょうか。

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